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フィリピンレポート2013年12月





2013年振り返って・・・




フィリピンの2013年を一言で言い表すと、『自然災害』に見舞われた一年ではなかったでしょうか。 2013年8月には二度の大型熱帯低気圧により洪水、冠水や土砂災害が発生し、完成したばかりの橋が崩壊、 高速道路が一時通行止めになった。 10月にはビサヤ地方・ボホール島を中心にマグニチュード7.2の大地震に襲われ、死者185名,負傷者 583名,行方不明者9名が犠牲となった。その他、観光地として海外からも多くの旅行者がやってくる斜面も一部崩れた他、フィリピン最古の教会も倒 壊するなどした。 そして記憶に新しいのが、11月8日、同じくセブ島付近を襲った、 超大型台風30号。(フィリピン名:ヨランコ)死者6,155名、行方 不明者1,785名、負傷者2万8,626名、損壊家屋約114万戸と報告さ れている。(2013年12月29日時点) 発表される度に被害は拡大し、この時点でのインフラ被害額は183 億ペソ、農水産被害は183億ペソ、合計367億ペソと推定されている。 (14年1月1日午前6時のフィリピン国家災害対策本部発表より)






嬉しいニュースもあった。至上初・フィリピン人ミスワールドが誕生した。メよりン・ヤンィさん(23) インドネオア・バリ島で行われた最終審査で世界中の美女達の頂点に立った。 もう一人、一度ボクシングの世界から引退した、フィリピ ンの英雄、パッキャオ。彼は、史上2人目6階級制覇王 者だ。その彼の復帰線となる試合がマカオで開かれ、2012年 12月以来、約一年振りの公式戦となったが、2013年11月23 日、アメリカのブランドンに3-1の判定勝ちで勝利し た。( WBOインターナショナルルゲー級王座決定戦) 台風直撃直後のフィリピンに勇気と感動を与えた王者の今 後の活躍が楽しみである。 また、フィリピンという国も注目を浴びた一年だった。 世界中の旅行者の強い味方、『トリップアドバイザー』や、 地球の歩き方』など、様々な紙面・エイトで相次いで行ってみたい国、人気のビーチリゾートといったジャンルでランクインされた。治安の悪さ、危険な国といイ メージではなく、豊かな自然、美しい海がようやく勝ったのだ。国家統計調整委員会(NSCB)は今後、観 光産業がフィリピンの更なる成長を牽引する一つとなると期待している。

2013年の経済も好調だった。世界大手 の格付け会社、スタンダード・アンド・プアーズがフィ リピンの投資格付けを一段階引き上げた。 どちらも「安定的」という見通しである。 これで、主要格付会社3社で投資適格級と なった。 フィリピン経済の強みは、特定の一分野に依存せず消費を中心に外需、投資とバランス良く分散されていることだと考える。特に、BPO、金融 や不動産といったサービス部門の堅調な伸びや、GDPの約1割を占めるといわれる海外就労者からの送金 などを背景に、安定的な高い経済成長率が達成可能とみられている。また政府が注力している官民連携事 業(パブリック・プライベート・パートナーシップ)におけるインフラの進捗がさらに加速 していることや、前出の、ビーチリゾートやカジノを目玉とした観光業の成長も経済成長に寄与するもの と期待される。 このような環境下、フィリピン経済や企業の成長力などが評価され同国株式市場には引き続き資金流入 が見込まれており、投資適格級に格上げされたことで、海外の年金を含めた新しい投資家によるさらなる 資金流入が2014年も引き続き市場を牽引すると考えられている。 年を振り返って・・・ By Mai

ATS Global Foundation 活動報告

2013年11月8日、フィリピン中部を襲った台風・ヨランコ。2ヶ月経った今も犠牲者の数は増え続け、 6,155名が死亡、1,785名が行方不明、負傷者は2万8,626名、損壊家屋約114万戸とも報告されています。 (2014年1月1日、フィリピン災害対策本部 (NDRRMC)発表)現在も、最悪の被害を出したレイテ島では1,400名の方が身元不明の為に埋葬が出来ずにいるそうです。 この程、国家経済開発庁(NEDA)による被災地復興にかかる費用が発表され、仮設住宅の建設、被災 者移転、インフラ整備、医療、農水産業の復興など、様々な費用を見積もると、3,610億ペソにのぼると のこと。その期間、4年の大計画です。

台風直撃の日より約1ヶ月半 が経った12月17日、ロハスという町に弊社 スタッフ11人で現地に赴き、よ うやく物資を手渡すことができ ました。 ロハスの町だけでも32万人が 被災されていると言われていま す。町は一番被害の大きかった レイテ程ではあ りませんが、今も、建物は倒れ、 屋根が飛び、木がなぎ倒されて いました。 今回、5つフィリピンの最小自治区をまわりましたが、内2つは道路が泥、瓦礫、貝殻 の破片、ごみなどで寸断されており、陸路での移動はできません。その為、小さなボートにたくさんの物 資を乗せて運びました。さらに、未だに電気・水道も復旧しておらず、現状何も変わっていないとのこと です。

ロハスの人たちの生活はつらく大変な状況にもかかわらず、これまでの1ヶ月半、誰も、何の支援もな かったと、私たちの訪問を大変喜んでくれました。 復興に向かっているとは言えない状況の中、私たちが行った支援がどれ程のお役に立てたかはわかりま せんが、支援をしてくださった皆様の、お役に立ちたいという『心』は届けることが出来たと地元の人々 の笑顔で感じました。 今はまだ世界各地から支援の手が 届いていると聞いています。そして、 “営業を再開した”や、“電 気が復旧した”とニュースを耳にする こともあります。ですが、これもい ずれ日常に代わりニュースにもなら なくなるでしょう。それは私たちの 過去の経験からも知っています。 私たちはこの災害を風化させないように、これからも微力ながら発信してまいりたいと思います。 そして、ATS GLOBAL SMILE FOUNDATION, INC.はこれからも 緊急自然災害や病、政治的暴動など で苦しんでいる人たちに手を差し伸 べる活動を行ってまいります。“全て の子どもたちは幸せになるチャンス を持って生まれ、幸せに生きるに値 する”をモットーとして。 ご支援下さいました皆様、本当にありがとうございました。すぐに現地に運ぶことができず、義援金を募ってからかなりの時間が経ってしまいましたが、無事にお届けができ、安心しております。そし て被災者のみなさんに喜んでもらえ、頂いたみなさんの感謝の言葉に私たちも力を頂きました。 この台風は私達フィリピンに住む日本人にも大きな衝撃を与えました。一つの台風がここまでの被害を 巻き起こすと、誰が想像できたでしょうか。手にする情報はどれも生々しく、悲しみが広がりました。 私はフィリピンの人達の笑顔が大好きです。よく食べ、よく笑い、よく歌い、よく踊り...。何度も励ま され、何度も癒されました。今の私がいるのも彼らのおかげと言っても過言ではありません。そんな明る く、優しい人々の元に、再び深い悲しみが繰り返すことのない様に、そして、被災地に一日も早い復興の 日が訪れるように心から祈っております。 TMS Global Consultancy Philippines Inc.社員一同

経済指標

為替




013年の円対ペソの為替の動きは、1月のペソ安/円高からペソ高/円安へ急上昇。それからペソ安→ペ グ高→ペソ安→ペソ高という安定感のない為替の動き。ペソ対ドルに関しては、ペソ安/ドル高が7月~12 月まで続きました。 次に三菱UFJ銀行の2014年為替推移の予測によるとアメリカが現在の金融量的緩和政策を縮小しても影 響は少ないという予測を立てている。その理由は3つある。1フィリピン中央銀行の適切な介入。2経常 黒字が続いている。3高い水準の外貨準備高などを掲げ、アセアン域内のインドネシア、マレーシア、タイなどの各国通貨と比べて安定的、下落幅は小さいと予測。またこの他に1000万人を超える海外移住 者とOFWからの送金が相変らずフィリピンのGDPに大きな影響を与える額へと年々増加している事もペソ のレートの強含みを支えている事を指摘している。 しかも、今年5月にアメリカ連邦準備理事会のバーナンキ議長が金融量的緩和政策の縮小する意向を示 唆した時、海外からの投資家の資金が既にフィリピンから流出したこともあり、これ以上のフィリピンか らの海外資金の流出は限定的で影響は少なく、これもペソの強含みを補強すると見通している。 年 為替の値動き 年間変動グラフ By Kieth






インフレ率

2013年年初、フィリピン政府は2011~2014年のインフレ目標は、3~5%にとどまるだろうと予 想している。昨年2012年の年間平均インフレ率は3.2%と、政府予想範囲での伸び率となった。 2013年のインフレ率は、11月までの平均として約2.8%で政府の目標範囲以下である。2013年 第一四半期は、フィリピンの経済成長率が予想以上に高く、国内需要が堅調なため、今年のイン フレ率は3~5%で推移すると予想された。第二、第三四半期にかけて3%以下のインフレ率で推 移した。8月には野菜の主な生産地である北中部ルグン島で悪天候の影響を受けたが、市場で十分 な供給量が保たれ価格は据え置かれた。第3四半期前半、相次ぐ台風被害で物価が上昇したため、 3%前後まで数値が上昇した。 By Shiho

年間GDPまとめ

アジア開発銀行(ADB)によるGDP成長率予測値と、国家経済開発統計 調査委員会(NSCB)などによる四半期ごとの発表を照らし合わせながら、 2013年のGDPを振り返る。 ADB4月発表 成長率 6.0%と予測、前回予測値(2012年10月)からは0.5%の上方修正 理由 1旺盛な国内消費 2投資の拡大 3住宅やオフィス需要による建設増など 課題失業率の改善と製造業の拡大が急務であると指摘。 ADB10月発表 成長率 7.0%と予測。4月時よりも1・0ポイントの上方修正。 理由 1建設業を中心とした投資増加 6.0%と予測。前回予測値(2012年10月)からは0.5%の上方修正。 2海外送金に支えられた旺盛な国内消費 3財政の赤字改善 4政府による公共事業への支出増など 5サービス業の成長 6商品加工業を中心とする製造業の成長 課題 失業率が改善されずに悪化していることに懸念。 堅調な経済成長が雇用創出に繋がっていない。 (2013年7月の失業率が前年同期比で0.3ポイント上昇し7.3%と発表 されたため)GDP成長率の半分を占めるサービス業だけでは、失業者すべ ての受け皿とならないため、成長が見られる製造業の促進がより必要にな ると分析 一方、国家経済開発統計調査委員会による2013年の成長率は下記の通り。 第1四半期 7.7 % 第2四半期 7.5 % 第3四半期 7.0 % 第4四半期 未定 GDP成長率7%超えは、2012年第3四半期から続いており、5四半期連続となった。 4月から10月までを振り返って浮き彫りになるのは、GDPの成長が堅調であるにもかかわらず、失業率 が改善されていない点が挙げられる。アキノ大統領が就任演説時に公約した一つの失業率改善は、現状な されていないといわざるを得ない。。汚職撲滅では、前大統領を追放したり選挙法違反者などを続出させ たり、目に見える形での成果は出ているのだが。。 まだ第4四半期の成長率は開示されていないが、台風ヨランコによる被害で7%を下回ってしまうのかが 見逃せない。 ちなみに地元唯一の邦字紙、まにら新聞の10年前2003年のGDPに関する記事を読み返てみた。 ADB4月発表 成長率 4.0%(2002年0.6ポイント減) 理由 新型肺炎(SARS)、イラン戦争による悪影響 問題点 徴税システムが不完全、ミンダナオ地方のテロ多発、イスラム勢力との和 平交渉の未達成 ADB10月発表 成長率 4.0%(4月発表予想値を維持) 理由 1 エルニーニョ現象の影響で農業部門の成長が鈍化 2財政赤字解消のため、公共事業への支出を縮小 3OFWからの外貨送金に支えられた国内消費の増加 4食品製造部l門の堅調な伸び 10年前に比べ進歩したと思うが、徴税システムが不完全であるのは現在も尾を引く問題。台風被害など の自然災害による農業への影響も、今でも変わらない。 個人的に関心がある農業に関していえば、台風が来ても被害がそれほど出ないように作物を育てられれ ば、この解決策の一案になると思っている。 例えば根の張り。植物は肥料を与えるほどに肥料に依存し、自分で根を太く張ること、つまり自分で栄 養を求めることをやめてしまう。だから日本でも古いしきたりを守る農家では作物に肥料を与えない。そ うすると台風が来た時に倒れない。 より多くの実を実らすことができるようビジネス的観点から開発された類いの種は、肥料を必要とし、 この肥料なしには育たない品種だ。そうすると根の張りが弱い。 私は科学技術否定論者ではないが、肥料がなくてもより多くの実をもたらしつつ、台風にも強い品種を 科学技術で作ってほしいと願っている。 同じように、外からの依存が自国を弱くしているなら、その依存を取り除き自国が強くなるように進めい てくことが、この国の指導者の役割だと考える。 下記、参考までに2004年から12年までのGDP実質成長率。

ジェトロ・ウェブサイト「国・地域別情報」(J-FILE) フィリピン:基礎的経済指標





2013年 フィリピン株式市場

2013年、大きく成長し注目をあつめたフィリピン株。 そのフィリピン株について振り返える。

フィリピンの代表的な株価指数であるフィ リピン証券取引所指数(PSEi)は、年末の値 で2008年1872.85ポイント、2009年 3052.68ポイント、2010年4201.14ポイン ト、2011年4371.96ポイント、2012年 5812.73、2013年5906となんと5年連続し て上昇した。

2013年の株価は5月中旬では非常に強い動きとなっていた。5月15日には、場中瞬間値ベースで 7,403.65ポイント、終値ベースで7,392.20ポイントと双方揃って史上最高値を更新した。しかし、5月後 半からは軟調な動きと変わり、6月に入ると下げ足を速め、さらに、13日(12日は休場)には6.75%と約 5年ぶりの大幅下落率記録、場中に6,114.08ポイントまで下落、1か月前の史上最高値からは約17.42%の 大幅下落となった。12月に入っても軟調な動きのまま6000を切ったところで今年の取引を終了した。

新規株式公開(IPO)企業も多く、8 件のIPO企業があった。いずれの企業 も、5月後半からの株価の下げの影響 を受け、上場を遅らせる動きが多くみ られた。 また、12月2日には、フィリピン初 の上場投資信託(ETF)であるメトロ・フィリピン株式上場投資 信託(FMETF)も上場した。 証券会社のアナリストよれば、2014年は、6000台の後半がゲーゥットになると予測している。投機 的な動きではなく、しっかりとした動きになることを期待している。また、今年以上に、IPO企業の数 も増え、過熱してきそうだ。

フィリピン 格付けが投資適格に!

具体的に3月27日フィリピンの長期外貨建て債務格付をこれまでの「BB+」から「BBB-」 へと1段階引き上げ、投資適格としての評価を得た。S&Pは、5月2日に「BB+」から「BBB-」へと1段 階引き上げた。S&Pに続き、米国の格付会社であるムーディーズは、10月3日にフィリピンのグブリン信用格付けを自国通貨建て、外貨建てともに「Ba1」から 「Baa3」に1段階引き上げ、見通しを「ポジティブ」とした。これでフィリピンの主要格付会社3社にて 投資適格級となった。 こういった格付け引き上げの動きに対して中央銀行総裁は「これよって国内及び海外からの投資が増加 する」と投資への期待感を述べ、政府高官も「さらなる引き上げを期待する」と歓迎を表現している。 格上げの理由の一つに、海外フィリピン人労働者(OFW)による送金が年々増加していることが考えら れる。2012年には、OFWの銀行経由送金額が約213億ドルにものぼり、去年の1月から10月と今年の1月 から10月の海外送金額を比べると6%も上昇している。 この結果、受取増加が続いており、世界各国にいるOFWからの送金が フィリピン国家財政の経常収支の黒字を支えている。

そのほかの理由は、インフレ率が想定されている範囲で推移していることとGDPも安定して伸びてきて おり高成長経済にシフトし始めたことが挙げらる。 こうして格付けが上昇し、信用力が上がると国や企業の資金調達レートが低下するため、企業の業績向 上の要因となる。このことから、その国の株式や通貨にとって良い材料となると考えられる。特に投資家 の投資対象となるため世界的に注目が高まるだろう。

フィリピン経済の強みのひとつである、ビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)、金融や不動産の 伸びや、約1割を占めるといわれる海外就労者からの 送金などを背景に安定的な高い経済成長率が達成可能 と期待できる。このような環境の下、フィリピン経済 や企業の成長力などが評価され同国株式市場には引き 続き資金流入が見込まれる。 特にフィリピン総合指数は、短期的には世界的な株 価変動等に影響を受けながらも、マクロ経済の成長性 を反映して、株価は上昇傾向にあり、フィリピン経済 は引き続き堅調な資金流入が見込まれ、また投資適格 級に格上げされたことで、東南アジアの中でも高い成 長率になると考えらる。

2013年 OFW送金額年間レポート

フィリピンの経済成長を語るのにOFW(海外出稼ぎ労働者)の人々の国外で の活躍と、その家族への金銭的支援の額を除いては語れない。2013年第3四 半期、その額は貿易赤字の2倍の規模に膨らんだ。そして経常収支の黒字を も継続させている。

フィリピン中央銀行(BSP)によると、2013年度(予測)のフィリピン人海外就労者(OFW)からの本 国送金額は前年比6.8~7%%増、247億8,600万米ドル(予測値)以上になる予測である。 送金元の国別動向については、1位が米国で前年比7.8%増(43.4%)、2位サウジアラビアで同 23.0%増の(シェア8.9%)、3位英国で同21.2%増の(5.7%)、4位アラブ首長国連邦で同 27.1%増の(シェア5.3%)、5位シンガポールで同19.8%増の(4.7%)、6位カナダで同53.6% 減の(4.1%)、7位日本で同32.4%減の(シェア3.1%) フィリピン海外雇用管理局(POEA)の最新資料によると、2013年年初から10カ月間に認可された求人 件数は67万5,966件であった。そのうちの主はサービス業、製造業、専門職、技術系の職種であった。主 な国はサウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、台湾、香港、カタールであ る。(フィリピン経済・金融・投資情報12月17日号より) このOFWからの送金は年間6~7%と右肩上がりとなっており、OFWからの送金額上昇率とインフレ率 がほぼ同じ上昇率で推移している。このOFWのお陰でフィリピンの貿易収支は慢性的赤字にもかかわら ず、赤字額を大幅に上回る海外フィリピン人就労者(OFW)からの送金により、経常収支は黒字化となっ ている。 OFW送金の威力による経常収支の黒字継続がフィリピン経済の特色であり、景気の押し上げ要因となっ ている。また、フィリピン格付けの投資適格への引き上げの大きな要素にもなっている。 By Hiro

2012年は10%成長、GDPシェア6.0%に上昇 就業者数10%増の422万人、雇用シェア11.3%に

7千以上の島々からなるフィリピンは、島の数だけ違った魅力を持つ楽園リゾートである。 素晴らしい自然を背景に魅力のある多くの観光資源と、陽気で親切で親しみやすい国民性との相乗効果 で、世界屈指の観光立国になりうる潜在力を有する国である。実際、ボラカイ島などは、各種の世界人気 リゾート・ビーチランキングにおいて、トップ、あるいは上位を占めるようになっている。そのほかの主 な観光地としては、マニラ首都圏及びその周辺、セブとその近接地のボホール、パラワン、避暑地でもあタガイタイ、バギオなどが挙げられる。

また、非常に陽気で英語力に優れるフィリピン人は、ホテルなどの観光・旅行産業に向いており、人的 資源という観点からも豊かな観光資源を有する国であるといえる。 このような有望なフィリピン旅行・観光産業(以下、旅行産業と記す)に関して、国家統計調整委員会 (NSCB)が、12月5日に、2012年の動向を発表した。(数値はフィリピンエテライト勘定(PTSA)の最 新データに基づいている。PTSAは国家統計調整委員会(NSCB)が観光省(DOT)、NSCB観光統計庁間 委員会の協力を得て作成されている。 それによると、2012年の旅行産業の直接粗付加価値額(TDGVA:名目ベース、以下同様)の名目GDP (国内総生産)に対する寄与度は6.0%、すなわち、GDPにおける旅行業界GDPのシェアは6.0%であり、 2011年の5.9%、2010年の5.8%から小幅ながら上昇傾向を辿った。また、GDPシェア6.0%は、建設業 の5.9%、公益事業(電力・よりガ・水の供給)の3.5%、鉱業の1.1%などを上回っている。 2012年の観光直接粗付加価値額は前年比10.3%増の6,311億ペソに達し、2011年の同9.2%増を上回る高 い伸びとなった。一方、名目GDPは同8.8%増の10兆5,649億ペソであり、旅行産業のGDPシェアが上昇 という結果となった。

2012年のフィリピン訪問者(外国人旅 行者及び在外フィリピン人)の支出が前 年比28.7%増の1,602億ペソへと急増し たことが、TDGVAの二桁増に寄与した。 そのうち、宿泊、飲食、買い物への支出 が上位を占め、それぞれフィリピン訪問 者支出全体の28.9%、25.6%、23.2%を 占めた。一方、居住者の国内旅行支出は 前年比15.2%増の6,627億ペソであっ た。これは、家庭最終消費の8.5%に相当 する水準である。 旅行関連産業における就労者数は前年比10.4%増の420万人に達し、国内の総就業者数3,727万人の 11.3%を占め、前年の10.3%からかなりの上昇となった。この就業者シェアは、2000年~2006年まで 9%台、2007年から2013年までは10%台前半で推移しており、雇用面でも旅行産業の重要性が高まって いるといえる。

2012年観光産業の中で著しく雇用が伸びたのは、『娯楽・レクリエーション・文化』のジャンルだった。 (前年比就業者伸び率49.5%)現在、ニノイ・アキノ空港(マニラ空港)を中心として大型カカノ施設が営 業・建設中であり、施設に付随して高級ホテルや高級ブランドを扱うモールが立ち並んでいる。今後もま すます成長が期待される業界であり、OFW以外で外貨を獲得できる大きな手段となることは間違いない。 また、2013年のフィリピンGDP成長率はアジア屈指の高い伸び率であったにもかかわらず、失業率は依 然として高い数値である。こうした目覚しい成長の過程にある観光産業が、失業者達の受け皿になること が期待される。 なお、2013年は大きな災害に見舞われたことで、フィリピン訪問客数がやや伸び悩み、2013年フィリ ピン訪問者数500万人という目標は難しくなりつつある(詳細は別掲)。しかし、今後は、フィリピンの 旅行・観光産業が飛躍的に発展する可能性がある。その理由は以下の通りである。 1.フィリピンのイメージが変わりつつある。 これまで、フィリピンへの投資、観光等を妨げていた大きな要因として、危険、汚いというイメージが 強かったが、経済の安定、ボクシングのパッキャオ選手や2013年ミスワールド受賞者の・ヤンさ んなどのような世界的ヒーローの出現、現政権の不正防止努力等により、本来の陽気で明るいというイメージが戻りつつある。イメージが改善するだけで、潜在能力の高さが顕在化することになる。 2.政府が旅行・観光産業育成に注力 政府が産業育成のための制度改革やインフラ整備に真剣になり始めた。2012年、地方空港への外国航空 会社乗り入れに関する規制が緩和されたり、地方の空港改修・整備、新空港建設などの動きが活発化して いる。また、昨年はフィリピン国外の空港への便の乗り入れが緩和され、世界各国から旅行者がフィリピ ンへ訪れ易くなった。特に日本への乗り入れは大幅に拡大され、就航空港も日本各地に広がった。今後も ますます増便される予定である。 3.大手企業が観光事業に積極参入 最大の不動産企業であるアヤラランドが、数年前に著名を買収したのをはじめ、SM グループ、AGIグループなど有力財閥が旅行・観光事業に注力している。 さらに、エンミゥルがフィリピン航空に資本参加し、経営強化を図るとともに、独自の巨大空港建設構 想を打ち出している。一方、最大の格安航空セブ・パシフィックなども新規路線に積極就航したり、便数 を大幅に増加させたりして、旅行客の利便性を高めている。 4.ブランド・ホテル開業が相次ぐ これまで、特に、マカティ市周辺の高級ホテル不足が指摘されていたが、昨年12月に、プアモント・ マカティ(280室)、ラッフルキ・マカティ(32室)がオープンした。このほか、グローバルティに、2014年、ハイアットが2015年にオープンする予定 である。 5,新しいタイプの旅行・観光が出現 既に、注目を集めているメディカル・ツアーやスポーツ・ツアーにくわえ、フィリピンは、語学留学や 社内研修地としての人気を集めており、教育ツアーのメッカとなることも期待できる。(13年12月5日の フィリピン国家統計調整委員会発表などより)

ロビンソンズ・リテイルが1000店体制に!!

織物や日用品の行商から事業をスタートした、フィリピン有数の 財閥の一つ、ェウン゙゚イ財閥の有力小売企業でRRHI)が、今年11月11日にフィリピン証券取引所(PSE)に新 規上場された!! RRHIは、ロビンソンズ・デパートメ ント・ストアのほか、ロビンソンズ・スーパーマーケット、 ロビンソンズ・アプライアンをはじめとした、世界の有名小売店だけでなく、日本の ミニストップとなども展開している小売り店の大手企 業なのである!!

RRHIにとって、2013年はPSE上場にくわえ、合計店舗数1,000店達成という記念すべき年だった。 上場は、約280億ペソの資金調達となるフィリピンでは最大規模のIPO(株式公開)となった。その ため、公示価格を割っての公開となった。 今後、店舗数は2013年末に、1,100店、2014年末に1,400店体制を目指しているとのことなので、店舗 が増え、増収増益となれば、株価も上昇することが期待できるだろう。 なお、フィリピンのミニストップは、ロビンソンズ(RCSI)によってフ ランチャイズ展開されている。RCSIは、三菱商事、ミニストップ株式会社、そして、RRHIグループとの 共同事業となっており1997年にRCSIとミニストップ本社との間でカントリー・フランチャイズ契約が締 結され、2013年10月末の店舗数は362店に達している。

また、RRHIは、12月13日に、100%子会 社ロビンソンズ社を通じて、美容製品や化粧品の販売企業 であるビューティー・リテール(BSRI)を買収した。 BSRIはマニラ首都圏、セブ市、ミンダナオ島コバオ市のショッピングモール内で、資生 堂製品の販売店8店、米国ベネフィット製品の販売店を2店展開してい る。したがって、RRHIは今回の買収により、 資生堂と米国ベネフィット品の販売網も獲得したと言えよう。経済発 展によって、今後ますます、消費が好調とな るであろう、化粧品の販売にも乗り出してい くことになるだろう。まさに、フィリピンの 成長とともにある企業の一つと言えるだろう。

2013年 フィリピン発出展企業ラインナップ

2013年も多くの企業がフィリピンに進出してきた。また、フィリピンの銀行と日本の大手 銀行とが提携を結び、日本各地で企業向けにフィリピン投資セミナーが開かれた。銀行以外に も、大小・公私関係機関が様々な方法で日本企業のフィリピン進出を後押ししている。 フィリピン発出展企業ラインナップ 出店日 企業名 詳細 1月 和民 昨年11月10日にSMモールオブアジアに初出店した「和民」。ィロリ゙ッゲ1に2号店をオープン。将来的にはフィリピンに10店舗以上の出店 を計画している。 02月21日 らーめん 山頭火 お口にやさしいとんこつスープが決め手の「らーめん 山頭火」がMakatiにオープン。6月27日には、SM・モールオブアジアに2号 店をオープン。3年計画で5店舗まで広げる予定。昨今、フィリピンでは ラーメンがブームとなっており、様々な麺と風味が味わえる。 04月07日 ファミリマート フィリピン第1号店となる、ファミリーマートGlorietta3店をオープン。 2013年度中に目標30店舗を目指し、5年で300店舗まで増やす計画。 05月19日 (株) ゙イブル 名古屋と中心に活動する(株)リード住宅センターがフィリピン・マニラに初出店。 10月09日 ロールガロイガ・ モーゲージーキ・ マニラ マニラ首都圏グローバルシティにショールームをオー プンした。開設式には本社C EOも出席、「有望なフィリピン市場で安定的な成長を目指す」とコメ ント。 11月11日 (株)TMJ グループの(株)TMJ(テレマーイティングジャパン)がフィ リピンで日本企業向けの業務委託を 請け負うよりリバー・オフショア・株式会社(埼玉県) と11月11日に業務提携契約を締結。フィリピンから日本国内のサービス を構築、さらにフィリピン国内、欧米諸国へのサービス展開を目指す。 12月06日 ユニクロ 昨年6月にフィリピン出店第一号店がオープンしたユニクロ。11店舗目 となる、ユニクロSM City 店がオープンした。 2014年 、 『ルイ・ヴィトンがフィリピン・ミンダナオ島でワニ皮を調達!』 皆さんご存知でしたか?“あの” ルイ・ヴィトンのバッィに使用されるワニ皮がフィリピンで養殖されて いるワニより作られています!!!! フィリピンミンコナオ島北コバオ州カパロン町にて、7月3日、 JKメルカド&エンキ社(JKMSAE)ワニ解体工場の操業を開始した。この工場はワニ養殖池に併設されて おり、 ワニ皮がルイ・ヴィトン向けに原料などとして出荷され、肉は、現地市場向けに出荷さ れる。 10ヘアゲールの養殖池には6,000頭のワニが飼育されており、1日当たり24頭以上が解体されるとのこ とである。JKMSAEのヴィンギンテ・メルカド会長は「ルイ・ヴィトン以外の有力ファッション・アイテ ムメージーから引き合いが来ている」とコメントするとともに、「JKMSAEはワニの保全にも注力してい る」と強調した。

Contents

2013

2014

2012

2011

  • プリセールの時代は終わる。フィリピンの不動産は、現物市場へ突入!海外不動産案内船「土佐丸」
  • 不動産運用の新しいカタチ ホテル・コンドミニアムサービス Versailles Stay
  • メトロマニラに特化した、完全日本人向け賃貸情報サイト CONDO NAVI
  • オリジナル内装ブランド OASIS
  • 暮らしの困ったを解決します!匠ハウスケアサービス
  • Capitarise Corporation Official Facebook Page
  • フィリピンに関するよくあるご質問
  • フィリピンの経済が一目で分かる経済レポート
  • CAPITARISEスタッフがお届けするフィリピンのHOTな情報BLOG